【地域情報化の現場から】
第38回「パソコンではじまる地域住民と学生の世代間交流~西千葉の地域SNS『あみっぴぃ』が生んだ新たな街のすがた~」

笑顔で教える大学生講師

 “西千葉”。
 千葉大学など多くの学校がある閑静な住宅街。緑豊かな駅前商店街では、地元住民と近隣の大学に通う学生たちが、今日も「こんにちは」と明るく声をかけ合い、笑顔で溢れている。パソコン教室が世代間交流のきっかけとなり、この街に新風を巻き起こした。それは、地元大学生の熱い想いから始まった。

かゆい所に手が届く、トータルサービス――“情報の共有より気持ちの共有”

TRYWARP西千葉オフィスの入口

 西千葉駅は、東京・新宿からJR総武線で約1時間。隣の千葉駅には大きな駅ビルや繁華街が目立つが、この駅周辺は文教地区らしいのどかな風景と落ち着いた雰囲気が印象的だ。
 初めて取材に訪れた2008年11月下旬の西千葉は、駅前のゆりの木通り商店街に立ち並ぶイチョウの木が次々に葉を落とし、木枯らしが冷たく感じる季節だった。しかし、そんな肌寒さすら吹っ飛んでしまうような光景が私の目に飛び込んできた。「また来週ね!」「次回も楽しみにしているよ!」主婦や年配の方々が、大学生と楽しそうに話している姿があった。それは、千葉大パソコンサポーターズ西千葉教室前で、レッスンを終えた受講生と講習アシスタントをつとめる学生とのやりとりだった。

ゆりの木通り商店街

  パソコン教室は、駅からゆりの木通り沿いに歩いて徒歩3分、黄色い看板のサイクルショップのあるビルの階上にある。ドアを開けると、学生スタッフたちが笑顔で出迎えてくれる。レッスン開始30分前には、受講生の大半が教室に集まり、講師と受講生、受講生同士が互いの話に花を咲かせている。このアットホームな雰囲気こそが、幅広い年代層をつなぐ鍵となっている。

 このパソコン教室を運営しているのは、NPO法人TRYWARP。千葉大の学生が講師となり、地元の初心者にパソコン操作を教えることを通じて知り合いを増やし、暮らしやすい街にしていく。その名も、「パソコンプレックス解消大作戦」だ。

仕切り越しに、左側が受付・右側が教室(授業中)

 週に1回、約半年でパソコンの基本操作をマスターする“超”入門コースは、間もなく40期を迎え、受講者は延べ15,000人を超えた。モニターによる一方向的なレクチャーではなく、長期間の講師研修を受けた学生たちが直接丁寧に教えていることで、「気軽に質問できる」と受講生の満足度も高い。
  40~70代の女性が中心で、最高齢は94歳。現在72歳を迎える堂本暁子千葉県知事も“超”入門コースの受講生で、いまや47都道府県知事の中で最もSNS好きの知事だと自称する。

虎岩理事とパソコン購入ツアーに出かけた、堂本千葉県知事(虎岩さんのブログ「虎活動」より)

 TRYWARPの講習では、自宅でも困らないように、受講生は各自のパソコンを持ち込む。元々家にパソコンがなく、どのパソコンを買ったらいいかわからない人たちのために、店まで同行する「購入ツアー」やよろず相談に応じる「パソコンなんでも相談会」など、他に類を見ない手厚いサポート体制も整っている。また、困ったときに自宅に出向く「出張サポート」がある。この出張サポートの特徴は、孫と同じくらいの世代である大学生たちが、おばあちゃんの家にお茶を飲みに行くといった感覚だ。
 お茶を飲みながら話しているときに「あ…あれもやってくれるかしら」という、何気ないやりとりの中で信頼関係が築かれていく。

受講生と大学生講師~受講生は、各自でパソコンを持ってくる

 千葉大学教育学部生涯課程に所属する今瀬卓志サポーターは、「受講生の皆さんには、こちらが教えているように見えて、実は教わっていることの方がずっと多いんです」と柔らかい笑顔で語る。
 “超”入門コースを修了した受講生向けに、講座修了後もパソコンに触る機会を作ろうという目的で、設けられている「つきいち講習会」もある。各自が受講したいタイトルの講座を複数の中から、都合に合わせて選び、同窓会気分で楽しむことができる。

 卒業生たちの現在のパソコンの使い道は、海外滞在中の娘夫婦や離れた所に住んでいる孫とのメール交換に始まり、お料理のレシピ検索、デジカメで撮った写真をブログにアップしたり、年賀状を作成したりと実に様々だ。
 パソコンがわかるようになって、「世界がぐっと広がった」という嬉しい声も続々と届いている。2009年1月14日の講習会に参加していた第29期卒業生の堀昌彦さんは、わからないところも受講生同士で互いに教え合う勉強熱心な姿が印象的だった。「若い先生たちにしっかり教えてもらえるから、知識もパワーも一気にもらえて大満足だよ!」と笑顔で語った。

得意を生かして活躍する学生たち

 TRYWARPの事業に携わる千葉大学の学生は、100名以上に上る。そのうち、約半数を占める正会員は、責任を持って活動に参加してもらうため、月額2,000円の会費を払う。TRYWARPスタッフを務める学生たちの中には、塾講師や飲食店など他のアルバイトと兼任している学生も多いが、講習事業に加えて、ウェブ制作事業、イベント企画などを担当するコミュニティ関連事業など、それぞれが興味のある仕事や得意分野に携わって多方面で活躍している。
 作家志望の学生はものを書く訓練として月1回の季刊誌『TRY&WARP』の編集を任されているし、Webデザインの企業に就職が決まっている学生はウェブページの制作に励んでいる。また、「経営を学びたい」という新入生は、教室内にある自動販売機について、陳列から売上計算までのすべてを担当している。
 サポート事業を中心に、講習講師も務めている千葉大学理工学部の中川徹也さんは、「普段自分が当たり前のように使っているTabキーやEnterキー、ショートカットキーなどを思わず“超”入門コースの授業でもやってしまいそうになる」と嘆きながらも、「毎回の講習で『あぁ、こういうところがわからないんだな』という発見があって楽しい」と語った。
 「パソコン講師はむしろ、パソコンが苦手な学生にこそ挑戦してほしい」と学生スタッフが口をそろえて言うのも、単にパソコン操作という技術を教えることよりも、受講生がパソコンで苦労し不安を感じているときに、『できてるじゃないですか』と素直に喜び、さりげなく安心(と笑顔と元気!)を提供できるからだという。

学生による、学生のためのパソコン講習――“循環の遠心力”

 TRYWARPのパソコン講習は学生向けにも行われている。「千葉大生のためのパソコン基本マスター講座」は、千葉大学、千葉大学生協とTRYWARPのコラボレーションで実現した。毎年の春、千葉大学の先輩が、後輩である新入生に、パソコンから大学生活まで幅広くサポート。今度はその後輩は、TRYWARPを通じて地域の人々にパソコンを教えることができる。
 実際、去年は教わる側でだったが、今年は教える側で参加している、というスタッフも少なくない。大学から地域に広がっていく循環の出発点がこの講座だ。さらに、昨年からは、東京理科大学でもパソコン設定などの出張サポートを行っており、学生の循環による遠心力の高まりが新たな地域にも広がっている。

「住民が街を好きになるため、僕らにできることは何か?」

NPO法人TRYWARP代表理事 虎岩雅明さん

 西千葉のような学生街は、全国に多くある。しかし、最短4年で地域を出る学生の地元への関心は薄く、また地元住民たちも大学生と本気で向き合うことも少ない。
 NPO法人TRYWARPを設立した代表理事の虎岩雅明さんは、彼が千葉大在学中に企画したイベントで、地元商店街の協力を仰いだら、街であいさつする人が一気に増えたことが設立の動機になったという。「よう!就職活動はうまくいっているかい?」「またウチの店にも来てくれよな!」などという地域住民の方々の温かい言葉が彼のハートに火をつけた。それまで地元との深い関係はない状態が当たり前だと思っていただけに、その喜びは大きかった。
 
 この体験をもとに、「街で『こんにちは』と声をかけ合える人を1人でも増やしたい」と、千葉大パソコンサポーターズが生まれたのは今から6年前。ビル・ゲイツにあこがれ、高校生のころからベンチャーに憧れをいただいていたが、「自分自身が起業をするとは思ってもみなかった」という虎岩さん。
 しかし、「ベンチャーに特別な最新技術は必要ない。自分にあるものを生かす起業だってある」と知り、2003年6月に、就職活動を突如打ち切り、資本金0円、学生5人により創業開始。翌年1月に法人化を果たし、それ以降も地域の経営者たちの温かい支援を受けながら、TRYWARPは徐々に成長を遂げてきた。
 
 千葉大学の学生の8割強は地方出身で、一人暮らし。そうした地域特性を踏まえたうえで、「学生と地域の人たちの世代を超えた交流を広げることで、西千葉を“第二のふるさと”と思えるような街にしたい」「西千葉に住む人たちに、もっと西千葉のまちを好きになってほしい」というのがTRYWARPの原点だ。社名の由来は、何にでもチャレンジする=TRY、それによって世界を飛び越える=WARP、という飽くなきチャレンジスピリットだ。ここにも、熱い想いを持った学生ベンチャーならではの進取の気鋭が見てとれる。 

相手の顔が見える地域SNS、「あみっぴぃ」――“出会い系より、出会った系”

 大学生が地域の人たちにパソコンを教えることで知り合いが増える。パソコンを全く触ったことがなかった住民が、半年後にはメールに写真を添付して送れるようになる。そうした受講生が講座修了後も自宅で積極的にパソコンに触る機会を作れるよう、TRYWARPは2006年2月にオープンソースを基に自前でSNSを立ち上げた。これが西千葉コミュニケーションサイト「あみっぴぃ」(地域SNS)だ。
 「あみっぴぃ」の輪を拡げる際にも、TRYWARPは様々な工夫を凝らした。運営面では、開設当初1か月間をプレオープン期間として、地元商店街の店主など約40人に向けて先行して会員登録を行えるようにした。まずは、実名登録や顔写真掲載の徹底することで、ネット上の無責任な言動の原因となりがちな匿名性を排除した。加えて、「トピ」「レス」などのネット用語は使用を禁止し、現実社会に根付いたコミュニティを目指した。これらのルールによって、主婦や年配の方も気負うことなく、SNSでの交流を楽しむことができている。もちろん、SNSの開設を心待ちにしていた学生たちも、もともと敷かれた既存のルールを守りながら、世代を超えて交流し、地域の絆を深めている。

 開設から3年経った今、3,000人を超える会員たちが活発に交流を続けている。“超”入門コースを第25期で卒業した田谷順子さんは、あみっぴぃブログを毎日欠かさず更新しているという。もちろん、“あみっぴぃの常連さん”は彼女だけではない。ある日のアクセス数を見ても、主婦や年配の方々が学生以上にランキング上位を占めている。これも「あみっぴぃ」が広い世代に親しまれている証拠だ。
 また、デザイン面では、登録しっぱなしにさせない仕組みをいかに作るかを意識し、サイト内部のコンテンツ拡充やデザインの工夫などのインターフェイス設計にも注力している。左側からよく使う順番に大きめのイラスト入りアイコンを表示したり、すべての会員のトップページに「超入門コース受講生」一覧を掲載することで新入りの人との交流をしやすくするなどだ。
 また、トップページには、Googleマップと連動した「西千葉たんけんMAP」や 施設検索機能もあり、これを活用して、地域SNS発の“街あるきイベント”も頻繁に行われている。

「アミーゴ!」の握手で交わす感謝の気持ち

中華料理店「ぎやまん亭」を営んでいる石川さん夫妻

 「おばさん、50ピー引いといてね。今、ネットで決済しといたから」
 ゆりの木商店街にある中華料理店「ぎやまん亭」では、千葉大学の男子学生が慣れた手つきでカウンター上に置いてあるパソコンを操作する。店員は代金から50円分を割り引く。
 西千葉の地域通貨「ピーナッツ」は、1999年からと国内でもかなり早い時期から導入されている。地域通貨とは、地域の中で自発的に商品やサービスを交換するための通貨だ。地域通貨を導入することで、地域の活動の担い手は、一般には法定通貨で取引しにくいボランティア活動などのちょっとしたサービスに対して、目に見える対価を受け取ることができ、活動を継続させる励みになる。

地域通貨ピーナッツの決済システム(ぎやまん亭店頭にて)

 西千葉で地域通貨のネット決済が始まったのは、2004年。それまで手帳サイズの紙に地域通貨の獲得と使用状況を書いていたが、ネットに強い大学生の会員などが増え、効率的に決済できるシステムを導入した。このシステムを設計したのも、TRYWARPだ。地域SNS「あみっぴぃ」のサイト内にもオンライン決済のページが設けられ、ピーナッツをやりとりする際には、「アミーゴ!」と言ってガッチリと握手を交わすのがルールだ。

元・西千葉商店会会長、現・地域通貨西千葉ピーナッツクラブ代表 海保眞さん

 TRYWARPは、立ち上げのときから地域通貨の恩恵を受けた。事務所を借りる資金がなく困っていた虎岩さんは、当時西千葉商店会会長だった(現在は地域通貨西千葉ピーナッツクラブ代表)海保眞さんに相談した。「お金はありません」と正直に言った。「それならば」と海保さんは、千葉市稲毛区内のデイサービス施設の2階を貸した。毎月の家賃は5万ピーナッツということにして。

地域通貨「ピーナッツ」のロゴ

 大学生は家賃分のピーナッツを稼ぐため、必死にボランティアなど地域のための活動を行ったという。長い間、西千葉の街を見守ってきた海保さんは、年々発展してゆく街の様子を間近に見ながら、「西千葉は、老若男女が入り混じって学べる街になってきているよね。僕も、若い人達の力を借りて、よりパワフルに活動していきたいなあ」と語る。


地域イベントでも世代間交流――西千葉ブランドを作ろう

 毎月第三土曜日、西千葉駅近くのふくろう広場では、「第三土曜市」というイベントが行われている。住民たちが料理や日用雑貨などを持ち寄り、地域通貨「ピーナッツ」を通じて売り買いをしながら、会話と笑顔を分かち合っている。TRYWARPでも、4年前から焼き鳥の屋台を出しているが、炭火おこしをしているときに、他の参加者の人から、「今日の調子はどう?」なんて声をかけられることもしばしば。浅すぎず、深すぎず、「こんにちは」と言い合える心地よい関係。あみっぴぃが理想とするコミュニケーションのかたちが、ここにも表れている。

第三土曜市」のようす(TRYWARPの会社HPより)
ライブイベントの様子~千葉大OBのシンガー・ソング・ライター松尾貴臣さん

 このほか、2006年には、千葉大学出身の「シンガーソングライター&西千葉のアイドル」である松尾貴臣さんを中心とした音楽イベントで地域の人たちが一体となった。また、このイベントと同時期に行われた「ガンバレ!ニシチバキャンペーン」という呼びかけがきっかけとなり、ロゴ入りのステッカーが作られたり、胸に大きく「西千葉」とかかれたTシャツ「あみってぃ」を作成して販売したりするユーザーも出てきた。また、woodhouse-Caféでは、オリジナルブレンドティ「あみっtea」を開発するなど、昨今では「街のブランド化」にも力を入れている。
 きっかけは、SNSでも、パソコン教室でも、街おこしのイベントでもいい。それらを通じて、一人ひとりが自分の好きなことや得意なことを活かしながら、皆が一体になれる機会をいかに生み出していけるかだ。その意味で、自分自身の活動に対しての「やりがい」と他者への「思いやり」というのは欠かせないキーワードだといえそうだ。

リアルな関係の上にある、バーチャルなツール

 TRYWARPが西千葉の街づくりで意識しているポイントは大きく2つ。「出会い系」ではなく「出会った系」。そして、「情報の共有」より「気持ちの共有」。インターネットを使えば人は会わなくて済むといわれるが、それは違う。われわれの日常生活が営まれている現実社会のことを「リアル」といい、地域SNSを含むインターネット上のコミュニティを「バーチャル」と呼んで区分するが。「バーチャル」はまぎれもなく、「リアル」の一部だ。SNSというのは手段(ツール)。大切なのは、現実の活動とうまくつながることだ。「リアル」の上にこそ、「バーチャル」がある。いつでも・どこでも・だれとでも”つながる、いわば際限なくモノや情報が行き交うオープンな情報インフラをもとに、コミュニティの親密度を高め、“いまだけ・ここだけ・あなただけ”というほどよい閉鎖性で、地域のとっておきの情報をやり取りする空間、その気軽さや居心地の良さこそが新たな地域メディアの魅力といえるのではないだろうか。

TRYWARPが目指す地域の在り方(会社HPより引用)

 虎岩さんは、「今後は、様々な地域で、大学と街がともに『住んでいてよかった』と記憶に残る新しい『大学の街』を一つでも多く作っていきたい」と夢を語ってくれた。
 いま、この西千葉モデルが全国に広がろうとしている。Microsoft社の「NPO支援プログラム」に選ばれ、秋田、新潟、長野、神奈川、兵庫などで展開するため、それぞれの地域グループと交流を始めた。今後の他地域連携の明るい未来を予感できそうだ。

(慶應義塾大学総合政策学部4年 柚村 歩)


評価と課題
 
  TRYWARPの活動や地域SNS「あみっぴぃ」の成功の要因は、パソコン教室や地域SNSという方法論だけではない。常に「人」を大切にする虎岩さんの姿勢や、西千葉のさまざまな人々による街づくり活動の「厚み」にもある。

 TRYWARPの活動や「あみっぴぃ」には、「地域社会や対面の人間関係が先にあり、地域SNSはそれを補うものである」と明確に位置付ける虎岩さんの姿勢が随所に表れている。例えば彼らは「オフ会」のことをあえて「オン会」と呼ぶ。ネットが「オン」なのではなく対面の人間関係が「オン」だからだ。また「あみっぴぃ」には、「ユーザーの誰かと対面の人間関係がある人でなければ参加できない」というポリシーや、「ITに慣れた人にしか通じない用語は使わない」、「初心者に優しいデザインにする」といった地域の方々への細かい工夫や配慮がある。

 西千葉にはTRYWARP以外にもさまざまなNPOや社会企業家の活動が存在し、それらが重なり合い、ゆるやかに連携しているという点も重要である。TRYWARP誕生以前から地域通貨「ピーナッツ」による街づくりを進め、TRYWARPを育てた「ゆりの木通り」の元商店会長の海保眞さんや都市計画コンサルタントの村山和彦さんはその筆頭だ。また、音楽活動で地域活性化に取り組む「西千葉のアイドル」松尾貴臣さんや、その他さまざまなベンチャー企業や社会起業家たちも千葉大周辺のごく狭い地域を活動拠点としている。彼らは、ゆりの木通りの飲食店や、さまざまなイベントや、「あみっぴぃ」を通じて緩やかにつながっているのである。

 つまりTRYWARPや「あみっぴぃ」は、パソコンやネット上の交流にとどまらない地域社会との深いかかわりや活動の広がりによって、多くの人々との信頼や協力関係を築いている。

 今後は、活動の幅を広げ、会員数を増やしながらどのように今の信頼関係や居心地の良さを維持するのか、ということが課題だろう。またこの成功モデルをどのように他の地域に移植するのか、というチャレンジにも期待したい。手法だけでなく、姿勢や配慮といった精神的なものを移植することや、西千葉のように地域のさまざまな活動と緩やかに連携するということは容易ではないだろう。

 「西千葉のビル・ゲイツ」の次のイノベーションが楽しみである。

(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)講師/主任研究員 庄司昌彦)

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